モンドセレクション受賞に踊らされるな!日本人にだけ有名な現実
日本市場で人気の「モンドセレクション」。
日本ではサントリー・モルツがCMでも3年連続金賞を受賞したとうたっているモンドセレクションは、権威ある賞の一つとしてもてはやされています。
様々な食品・サプリから化粧品まで幅広く受賞していますが、育毛剤でも例外ではなく、商品ページには「モンドセレクション受賞」の文字とラベルの表示が多く見受けられます。
でも実は…世界的に有名な賞ではない、ということを知っていますか?
それだけではありません。世の中にあふれるモンドセレクション受賞商品を実際に手に取ってみて、「モンドセレクションに惹かれてお土産を買ったのに美味しくなかった!」「モンドセレクション受賞のお酒を飲んだけど、イマイチだった」なんて経験している人も増えているようで、あちこちで疑問の声も聞こえてきます。
「そもそもあんなにたくさん賞をとってる商品があるなんて、おかしい!」と疑り深い人は思っていることでしょう。
ここでは、実際にモンドセレクションはどんな賞なのか、一般的なイメージと賞の実情のギャップをお伝えしていきます。
目次
世界中で有名な賞ではない!連続金賞の8割が日本企業
モンドセレクションってよく知らないけど、
受賞すれば世界に認められたってことでしょ!
モンドセレクションは、実はアジアからの受賞が8割越えしており、世界規模とはいえません。
受賞一覧にあがっているのは、日本の商品・企業ばかりなんです!!!!
ベルギーにある品質を見極める国際機関として1961年に誕生した、モンドセレクション。国際機関と名乗ってはいますが、2016年は優秀賞2618点中2117点がアジア圏から出品されたものでした。
国際的なセレクションであるはずが、現実は8割以上アジア圏の受賞……
公式発表の「応募があった国」の地図をみると、
あたかも世界中から応募があるように見えるのに…!?
これが実は、8割がアジア圏から!?
それでは、そのうち、日本の商品はどれぐらいを占めているのでしょうか?
もう少し詳しく情報を見ていきましょう!
2618点すべての受賞結果は残念ながらサイト上では確認できないのですが、モンドセレクションを3年以上受賞している企業一覧を見ると、どの国の企業が受賞しているかわかります。
モンドセレクションを3年以上受賞している企業は……
244企業中、206企業が日本企業の模様。
84%も占めていました。
2008年頃に雑誌にてモンドセレクションが特集された際には、「5割が日本からのエントリー」と暴露されていたのですが、今はもっと増えているのではないでしょうか。
ちなみに、育毛剤が含まれる化粧品部門では、33企業32企業が日本からの出品がみられます。残る1企業は韓国でした。
化粧品に関しては本当にアジア圏に占拠されている状況なんですね。
実はモンドセレクション、元々はお菓子の品評会としてスタートしているので化粧品部門は弱く、2005年ごろからスタートした歴史の浅い部門なので、この日本商品の多さはうなずけます。
連続金賞の8割以上が日本企業。
…もはや国際的な賞とは言えませんね。
特に育毛剤においては他国製品なんてエントリーされていないのでは…
金賞=1位ではない!多くの金賞商品が溢れる理由
とはいえ、金賞をとっているってことは部門1位でしょ?
数多くの商品の中から1位って、すごいんじゃない?
モンドセレクションは
部門ごとに1位、2位を決めるものではありません!
なので、
エントリーした商品の64%が金賞を受賞しているんです。
金賞というと競技形式やコンクール形式のものを思い浮かべますよね。
オリンピックでは金賞は各競技・部門で1つずつですし、映画祭だって各部門に金賞は1つずつです。
しかし、モンドセレクションは部門ごとに金賞の上限を決めていません。同じ部門でも金賞受賞する商品が複数存在しているんです。
審査基準を見てみましょう。
第4条 - 優秀品質賞
4.1. 各賞には優秀品質メダル並びに賞状の授与があります。
4.2. 本規則第3条の審査結果により、以下の賞が授与されます。
• 優秀品質銅賞:60%以上の得点を得た商品
• 優秀品質銀賞:70%以上の得点を得た商品
• 優秀品質金賞:80%以上の得点を得た商品
• 優秀品質最高金賞: 90%以上の得点を得た商品
審査員によって8割以上得点が得らたら「金賞」、9割以上得られたら「最高金賞」と、一定基準を満たせば受賞できるだけでなく、金賞と名の付く賞が2つもあるのが要注意ですね。
実際に2016年に受賞した2618商品のうち、
1686商品が金賞・最高金賞を受賞しています。
「金賞受賞」という言葉だけではイメージしづらいですが、
「受賞商品の6割以上が金賞受賞」というのが、モンドセレクションの現実なのです。
金賞、最高金賞と聞くと「1位=1商品しかない」とイメージしがちですが、
一度に多くの金賞が生まれているので惑わされないで…!!
受賞=効果がある訳ではない!審査ポイントは「品質」
……じゃぁ、受賞されている育毛剤は、育毛効果があるわけじゃないの?
モンドセレクションは、品質基準を見極めているだけなので、
育毛効果がより高い、とは言えませんね。
モンドセレクションを受賞したからといって、その商品の味や効果を保障している訳ではありません。細かな評価基準は受賞者にも公開されていないのですが、化粧品における審査基準は以下が公表されています。
化粧品およびトイレタリー製品を客観的に評価するため、モンドセレクションは約20の評価基準を含む評価シートを準備しています。シートには次の内容が含まれています。
・使用成分のリスト
・強調表示の形式と内容
・製品の効用に関する正しい説明
・表示の根拠およびコンプライアンス
・使用上の注意
・強調表示と製品に含まる成分の整合性
・製品の革新的要素
・消費者向けに謳われている製品の科学的効用性
・謳われている効用が期待できるだけの有効成分が配合されているか
・使いやすさ(爽快感、香り、質感、浸透率)
・肌への優しさ
・試用テストに基づく製品の一般的効用性
?????
難しく書いてあるけど、これって……
パッケージや広告と、商品内容が違っていないか、安全な商品かといった、
あたりまえの事実を審査しているだけに過ぎません!!
一つ注目したいのは、「使用テストに基づく製品の一般有効性」とある箇所。
食品部門は翌年1月サンプル提出締め切で発表は4月と短い審査機関なので、確かに化粧品部門においては期間をかけた調査をしているのでしょう。
しかし実は、送付するサンプル数は4つと定められています。
これって、成分分析ならできますが、使用テストするにはとても少ない数です。
例えば、1本1ヵ月分とされている育毛剤が多いので、最大でも4カ月の使用分析しかできないでしょう。育毛剤の効果は3カ月~半年と人によって差があるので……被験者が効果が出にくい体質だったら悲惨です。
……と、そんな個体差にたよった検査なんて科学的にはありえないので、現実的には協力化学調査機関にて成分分析されることが予想されます。
そもそも海外の人って育毛剤使うの?
ハゲてもカッコイイイメージだし…
モンドセレクションで認められた=国際的にも有効と証明される育毛剤、といえるなら、なんか信用できそうだけど…
海外でも育毛剤は多く使われているようですが、多くが医薬品です。副作用もあるので輸入商品が国内に入ってくることはまずありません。
モンドセレクションには医薬品はエントリーできませんし、そもそも海外の育毛剤と比較されることはないでしょうね。
育毛剤に含まれる成分を分析して、効果のある成分が含まれているかどうを検証されるモンドセレクション。
そのような内容成分の検証であれば、厚生労働省から認定される医薬部外品(薬用)であれば、たいていクリアしてしまう基準です。
日本の育毛剤の多くは薬用ですので、わざわざモンドセレクションに証明されずとも、品質は安心できるものばかりです。
モンドセレクション認定の育毛剤=特別に効果がある育毛剤ではない!
パッケージや広告に偽りのないかどうか審査しているだけなので、薬用育毛剤であれば審査が通るのは当たり前。一定数の有効成分が入ってるのが大前提ですから。
それ以外の育毛剤で「この商品は怪しい成分が入っていないらしい」と確かめる判断要素にはなるかもしれませんが…
15万円の投資で売り上げが3倍!?操られる消費者心理
結局モンドセレクションって、一定基準の品質保証をしてくれるだけなんでしょう。
じゃあなんで日本の企業はみんなモンドセレクションにエントリーするの?
「●●賞を受賞」と表記するだけで、
売り上げが2割以上変わってくるんです!
モンドセレクションは他の賞よりも日本国内で認知度が高いので、通常の売り上げの3倍になるケースも!
モンドセレクションは日本では1966年から日清製菓のバターココナツが受賞し、CMで「最高金賞受賞、おいしさが世界に認められた」と宣伝したことから一躍有名になった賞です。
2007年からはサントリーのプレミアムモルツが大々的に受賞をCMでPRし、再びモンドセレクションブームになっている昨今。
一般的には「●●受賞」と表記すると売り上げが2割以上変わってくるといわれています。日本で古くから馴染みのあるモンドセレクション受賞の効果はさらに大きく、モンドセレクション受賞した商品が3倍以上の売り上げが出て、製造が追いつかないものもでたとか。
地方のメーカー商品が受賞した際には、県知事から直々に「アンテナショップにおかないか」と声がかかった、という事例もあるんです。
売り上げ3倍!?そんなに違うんですか!?
日本人は「金賞」「受賞」とかって、大好きですからね。購買の後押しになります。
……しかも、モンドセレクションは、エントリー費用がたった15万円。費用対効果がとってもいいマーケティング手法なんです。
化粧品部門では1商品あたり€ 1200 = 約15万円 です。
この商品ごとのエントリー費用で、審査員・研究機関での成分調査・授賞式などが行われます。
育毛剤に限らず、日本の製品の品質基準は世界の中でも厳しいため、モンドセレクションにあらためて調査してもらうまでもなく一定水準を満たしているでしょう。
それを表す通り、日本からの出品の8割は受賞しているそう。
ましてや育毛剤の多くは「薬用育毛剤」として厚生労働省から認定されているので、よっぽどのことがないと賞は逃さないのでは。
おまけに、一度受賞すれば3年間は
【モンドセレクション受賞】と表記できるのです。
3年連続金賞であれば、3年間使用という縛りもなくなり、半永久的に使用できるのだとか……
たった15万円かけて、売り上げがここまで大きく変わる称号が手に入るならば、企業のマーケティング手法として使わない手はありません。
エントリーに必要な成分・用途の翻訳や審査基準チェックなどが自社で難しい場合は、50万円程度で請け負う代行業者すらあるのですが、その程度でしたら企業にとって広告費として安いものです。
15万円で売り上げ増が確実ならば、
ビジネスとして導入しない手はありません。
日本の多くの企業がモンドセレクションに出品する理由は、
費用に対して得られる効果が高いからです!
「受賞」にまどわされず、総合的に商品を判断すべし
モンドセレクションは、お金をかけて海外機関に品質保証してもらえる賞で、年間に数百もの金賞が生まれています。
しかし、「国際機関から」「金賞を受賞」したというフレーズに流され「なんだかすごそう!」と思ってしまう消費者心理をうまく突いた、マーケティング手法の一つとなっているのが現状です。
そして、モンドセレクションに限らず、「楽天市場部門1位獲得」「リサーチ結果ランキング1位獲得」など、様々な賞や1位獲得の文句は、各社・各商品で使われています。
「受賞」の言葉にまどわされず、受賞の内容や背景や、商品そのものをチェックしていくことが大事なのです。
育毛剤ナビでは各商品の「受賞」をうたった広告表現だけでなく、開発会社・成分・効果を徹底調査し、掘り下げて分析しています!
まどわされずにしっかり商品を選ぶ手助けになるよう情報を厳選しているので、参考にご活用くださいね。
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